建築物の設計風速は、 数十年に渡る観測記録を基に、確率統計的な手法により推定したものですが、 供用期間の長い建築物に対する設計風速を推定するには必ずしも十分な情報とは言い難いものがあります。
また、建築物の骨組み、制振デバイスおよび免震デバイスの疲労損傷を見積もるためには、台風通過時の強風の計時変化の情報も必要となります。
Monte Carlo法を利用した台風シミュレーションは、このような要求の下に提案されたもので、多くの研究者によって改良が施されてきています。また、その成果として、 ASCEなどではこの手法を用いて設計風速を定めています。
弊社も、先人の方々の研究に習いつつ、 独自の研究成果を取り入れたシステムを構築しました。
下図は、再現期間10年として台風シミュレーションにより発生した台風の経路を表したものです。このように、弊社の台風シミュレーションは日本全国をカバーしたシミュレーションが可能です。
![]() 再現期間10年の台風シミュレーションによる台風の経路 |
下図は、横浜を対象地として地表面粗度区分II地上10mの高さに換算した再現期間100年の年最大風速の非超過確率と風速の計時変化の事例を示したものです。
![]() 台風シミュレーションによる年最大風速と非超過確率の事例 |